生きる希望に繋がった阪神優勝
静岡市清水区にあります
介護付き有料老人ホーム 庵原屋日和館です。
今回のブログは、『阪神タイガースファンのＨ様』のことを取り上げたいと思います。
先日、阪神タイガースが18年ぶりにアレ(優勝)しましたね！
🙌
それをずっと楽しみにしていたＨ様ですが、
アレが近づくにつれて体調が悪くなっていたのです。
もう、ご自分でも最期かな？と思った朝
『妻を呼んでください』と仰り
奥様に『世話になった。だが、もうダメだ。老衰だ。ありがとう』と伝えた日もありました。
その頃阪神は、佐藤輝明選手の満塁ホームランなどで、巨人に4対0で勝ち、2位の広島が敗れたため、18年ぶりの「アレ」へのマジックナンバーが「1」となりました。
と同時に、呼吸が苦しくなるＨ様。
夜勤のヘルパーさんがマジ1になり、阪神の話をすると苦しさを忘れ、一緒に語り合ったそうです。
『とにかく阪神タイガースのアレを見るまでは死ねない！』と笑って仰ったそうです。
そして、アレがかかった当日、
『今日はどこで中継するのかな？』という話になり、テレビ欄を確認すると、
なんと！！
静岡では放映されない！！
それなら、BSなら放映されるのでは！と確認するも『放映されない』という事実が。。
(大阪のテレビ局のみ放送してました)
Ｈ様はとても悲しそうな目をしていました。
放映されないならと
部屋を阪神タイガースにしよう！となり
インターネットから阪神タイガース画像をコピーさせてもらい、阪神のアレを先に作ってみました！
するとＨ様が目を輝かせ
『あはは！すごいな。
岡田監督も中野、青柳、近本もいるね！
お！懐かしいなぁー！バースや掛布もいるなぁー。
タイガースのロゴもあるし、甲子園で風船も飛ばしてまさにアレだな！あはは。いいな。』と生き生きして喜んでくださりました。
『あっちは、心斎橋もあるし、大阪だ。懐かしいなぁ。あはは、もう優勝して甲子園からもう六甲おろしが聞こえそうだ
！』と嬉しそうな表情をしてくれました。
またその日、お孫さん、ひ孫さんも面会にきており、
『おおじぃじ！元気になってね。ご飯をしっかり食べないと力が出ないよ！』という言葉が響いたようで、お食事を召し上がったそうです。
ご家族のパワーの凄さですね。
そして、阪神タイガースはめでたく18年ぶりに優勝をしたのですが、
静岡は放映されなかったので、
当日の夜勤リーダーのヘルパーが『阪神優勝しましたよ』と伝えると嬉しそうな表情をし安心し、苦しいという訴えも聞かれず就寝したそうです。
そして、翌日様子を伺いにいくと
最近の中で1番調子が良くニコニコした朝を迎えており『阪神優勝したなぁ。嬉しかったよ！
でも中継を観たかったよ。
それだけが心残りだったよ』と仰るため、
DAZNでハイライトシーンを見ていただくと、
『おー森下、3番でヒット！いい展開だ。
お！佐藤輝明20本目のホームラン打ったのか！
3対0になった！すごいな！
おっ！！４-３行けるぞ！
あと1人！あと1人！』と声をだして応援をしていました。
そしてついに優勝の瞬間、本当に嬉しそうに喜ばれました！
『奇跡だ！阪神から力をもらったよ！まだまだ死なないな！あはは』と笑っているＨ様でした。
午後の往診の時も主治医と阪神優勝の話を楽しそうにしており、先生たちに
『奇跡だよ！嬉しかったですよ。だから日本シリーズまでみたくなった。先生ありがとうございます。』と。。
Ｈ様にとって、阪神タイガース優勝は、生き甲斐になっており、
職員だけでなく、主治医の先生方とも一緒に共感できた時間は、とても良かったと思います。
これからも阪神の試合をＨ様と一緒にみながら、
Ｈ様にとっていつかくる最期の日まで、
Ｈ様らしく過ごせる様に支援していきたいと思います。
最後に
阪神タイガースの選手の皆様優勝おめでとうございます！
Ｈ様に生きる希望を与えてくださり感謝します。