最期だから住み慣れた場所で・・・<2>
一年程前のことです。
最期をどう迎えるか…を、通して学ばせて頂いた出来事を、紹介したいと思います。
T様 92歳 男性
ご入居された当時は、いつも優しい笑顔で穏やかに、過ごされていました。
お医者様だったT様、現役のころはとても厳しい方だったと…。
病気が進行し食欲が徐々に落ち始め、やがて口から十分な栄養が取れなくなりました。
点滴、胃瘻、経管栄養…ご家族は、入院させるべきかどうか悩みました。
お子様達もお医者様でしたので、当然入院を最優先として考えてました。
そのような中で、お子様の一人が声をあげました。
「病院よりもここ(日和館)の方が、
親父には良いと思う。入院はやめよう!」
しかし、ご家族の思いは様々です。
すぐに決めることはできませんでした。
声を上げたお子様でさえ、
「本当にこれでいいのか?」と
悩む日々が続きました。
私たちは、T様のケアをさせていただきながら悩み、
迷うご家族とともに何度も相談を重ねました。
そして、
「父をここでお願いします。
最期を日和館で迎えさせたいです。」
とご家族の思いが固まりました。
T様にとって、どのようにして差し上げることがベストなのか?
ご家族が一番望んでおられる事は何なのか?
本当の気持ち、本当の思いとはなんなのか?
最期に大好きだったアイスクリームを口に含んだのち、
深呼吸をし、静かに息を引き取られました。
T様の看取りをして学ばせて頂いたことは
看取りとは
「最期まで、ご本人とご家族を、支えきること」です。
息子様と、二人で写真を見られていた光景が、今でも目に浮かびます。
その後ろ姿はとても温かでした。
この内容は、2015年8月19日の日和館ブログをコピーしました。